2023/05/28 15:16
前回に引き続き、今回は「入れ歯のお手入れはどのようにするのか?」がテーマです。
具体的には、義歯の洗浄器具の揃え方、入れ歯の洗い方の2つについて解説しますね。
■義歯洗浄器具をそろえる
義歯の清掃には、義歯ブラシによる機械的清掃と義歯洗浄剤による化学的清掃の併用をお勧めします。
義歯ブラシ
歯を磨くには歯ブラシが必要なように、義歯を洗浄する際に必要な物が義歯ブラシです。義歯ブラシは様々な種類が販売されています。握る力が弱い方は、グリップ感を確認したりすることも必要です。また、手に麻痺がある場合など機能障害を伴う際は片手で洗浄できるクリーナーもあります。
義歯洗浄剤
義歯洗浄の種類は次亜塩素酸系・酵素系・過酸水素化合物系に分かれます。
次亜塩素酸系は殺菌効果に優れています。主な製品として『ピカ・赤』があります。ヤニを落としてくれる効果もあるためたばこを吸う方には効果的です。
酵素系はタンパク分解酵素を利用して義歯を清潔に保ちます。殺菌作用は次亜塩素酸系・過酸化水素系よりも劣ります。
一般的にドラッグストアで売られているものは過酸化水素化合物系が多いのではないでしょうか?
過酸化水素化合物系は発砲作用によって汚れを落としてくれます。個人的には口臭対策としてカテキンが配合され、カンジダ菌の抗菌酵素ツニカーゼFMを配合している『息、スッキリ』という商品を使用しています。私自身は日常的に義歯は装着していませんが、マウスピース(ナイトガード)を装着しているためこの商品を用いて洗浄しています。
義歯洗浄保管容器
義歯を洗浄する容器が必要です。ご自宅にあるタッパーウエア等でも構いませんが、義歯専用として管理できることが重要です。ガラスコップのような食器を用いると、要介護高齢者の中には義歯洗浄剤の溶解液を清涼飲料水と誤認して飲んでしまうこともあります。
義歯専用保管ケースを用意しましょう。
■義歯の洗い方
義歯を取り外したら流水下で義歯ブラシを用いて洗います。
このときに洗面器などにみずをはって中にタオル等を敷きその上で洗うようにすると、万が一、義歯が落下しても、破損するリスクを減らすことができます。義歯を洗う際には、基本的には何もつけず水だけで洗浄して問題ありません。歯磨剤を用いたり、力をいれてでゴシゴシ磨くと、義歯に微細な傷がつき細菌の温床になるので注意して下さい。
特に部分義歯の場合は金具の周りに汚れが付着したままであると、残存歯も歯周病や虫歯になるリスクが高まるので義歯ブラシでしっかり洗いましょう。
食後は義歯を外して義歯ブラシで洗浄した方が清潔に保つことができます。しかし外出先で外すことができない場合も多いです。そのようなときは自宅に帰宅してから洗浄するようにして下さい。
そして就寝前には義歯を義歯ブラシで洗浄したあとに洗浄剤につけましょう。洗浄剤を使用する際にはメーカーの指示に従った方法で使用して下さい。
翌朝、洗浄が終了した義歯は流水で余分な洗浄成分を洗い流してお口の中に装着しましょう。

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